884のらくら日記! | ここは884/笹山の、のらくら日記です。

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舞い上がる文字。

※若干暗いです。
気分沈みがちでしたらバック。

暗い夜の森の中を歩いていました。
柔らかい土を踏み、緑や、夜の。雨上がりの水気を孕んだ空気を大きく吸い込みます。
私は、道に迷った訳ではなく。
ただ、靴に付いた泥を気にして。
下ろしたばかりの靴を汚してしまうのが不快で。不安で。
元の道を戻ろうかどうしようか悩みながら足元ばかりを見て歩いていて、
疲れたので空を見上げました。
木々の切れ間に、ぽっかりと大きなお月様が覗きます。
しばらく見上げて、やはり進んでみようと正面を見すえますと、ほんのりと明るい光が、
闇の中に浮かんでいました。
冷たい森の中から見るそちらの光は、橙色をしており、とても暖かそうでした。
人の声もします。なにか、歌の様な…物も聞こえます。
私はそちらに足を向けました。

歌の様な物は、呪文の様でもあり、念仏の様でもあり、一定のリズムでもって、人の声に途切れる事無く続いています。
どうやら、集まった方々は集会の様な物を開いているらしいのです。
森の木々が途切れた先に、広場があり、その奥に切り立った岩壁…崖がそびえていました。
その広場に人々がおり、崖の前で何かを燃やしています。
天にも届かんばかりの火の勢いです。
人々は私に背を向け、その火から飛び散る黒い何かを、必死で追いかけています。
私は森と広場の境界線で、その人々をぼんやりと眺めていました。
…と、その時。
黒い何かが、パチンと弾けて私の方へ、一つ、飛んで参りました。
私の足元に、音も無く落ちます。
一人の男性が、その黒い何かを追いかけて走りよって来ましたので、拾い上げて差し出しました。

「やあ、こんばんわ。良い夜で。」
「こんばんわ。…あの、皆さん、何をなさっておられるのでしょうか…」
「ああ、じゃあ、君は偶然ここに来たんだね。運が良い。賢人が亡くなったんだ。」
火の方を見て、その方は私に言いました。
「火葬にしているところなんだ。恩恵に預かれる。それは彼の一部だから、まだ食べていないのなら、食べるといいよ。」

そう、おっしゃいました。

黒い何かを見ると、それは、アルファベットの様な。
記号の様な。
文字の様な。
不思議な形をしていました。
良く々見回しますと、広場に舞い飛ぶ黒い物は、皆、その様な形状をしており、
追いかけて拾われた方は、その黒い物を、粛々と戴いているのでした。

恩恵に、預かれる。

その意味が良く解りませんでしたが、私はそれを、戴きました。





カカオ90%含有の、チョコレートの味で目が覚めた。

目が覚めてからも口の中が苦い様で唾液と涙が一緒くたになって流れ出た。
最悪の目覚めだった。
何より最悪だったのは、
思い返してみるとあの賢人の顔が私の愛する者の顔だったという事だ。

「たべてしまいたいくらいかわいらしい」

と、赤子を見て母や友人が話しているのを思い出した。
私もそう思っていたが、
その日以来。


そういった事は一切口に出さなくなった。
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Category : 散文
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